いまUXで捉える必要のある観点「コミュニティ」

昨日は、福井市で行われている「XSCHOOL」のセミナーに参加してきた。個人的に、色々と学びのある会だった。この会への参加のきっかけは、最近自分が地域プロジェクトについて考えることが多くなってきていることから。

http://100banch.com/events/10867/


地域活性化とか、コミュニティとか、どうプロジェクトで進めるのか?

地域活性やコミュニティの醸成を意図的に起こしていくためにどうしたら良いのか...?

そんなことをとにかく毎日悶々と考えている。色々と地域プロジェクトについて調べてみる中で、もちろん他の地域で行われている参考になるプロジェクトは多々あるものの、地域によって「キャラクター性」や「集まる人の属性」などが異なり、前提条件はバラバラである。だから、コピーできるような事例は、わかっているが全くない。

4月から八戸を舞台にプロジェクトとしてやっている案件があるが、最初の段階から街のことや社会のこと、ときに未来に向けた社会や地球環境のことをリサーチし、今も常にそのようなことを背後に意識しながら進めている。かなり泥臭く、地道に色々な可能性を広く見渡し、ひたすら悩み続けている。

でも、そのようなプロジェクトを進めていく中で、重要だなと考えているのは、今後のアクションプランやプログラム、コミュニケーション計画、ロードマップといった部分だと思っている。

緻密に、丁寧に、着実に、様々な情報やトリガーなどを分解・整理し、何と何をつなぎ合わせて文脈をつくり、可能性の道を切り拓くのか考えていかなければならない。


UXは、やっぱりヒトのこと。

今はこのような地域やコミュニティを考えるプロジェクトを行なっているが、自分の場合は大学から7年以上ずっとUXをやってきている。ロフトワークに入ってからは、Webを中心としたプロジェクトから、空間案件やイベント、コミュニティについて考えるプロジェクトにも関わってきているが、UX文脈のなかで、かなり「人の関係性」や「コミュニティ」のことを設計していくことが重要なのではないか、と彼此1年半くらい考えている。

制作会社やデザイン事務所にいると、どうしても成果物(Webや紙媒体など)のビジュアル的な方向性の良し悪しについて考えていくが、いくら良いものを作っても全ての良いデザインが世の中にちゃんと浸透していくとは限らない。

そんなとき、UXの視点に立って考えた時に、様々な成果物が人に触れるようになる体験を意図的に作り出すためには、そこに至るまでの人やメディア、口コミなどを含めたコミュニケーション計画を出来るだけ深く考えておくことが重要だと考えている。

でも、ときに無理して紙媒体などを作る必要もないと思うので、現実的なコミュニケーションの取り方において、本当に今必要なビジネスアイテムを成果物として作っていくことを真摯に、純粋に考えている。目的確認が大事。

でもでも、誤解がないように書いておくと、もちろんビジュアル的なデザインも非常に重要だと思っている。

ステークホルダーの帰属意識を高める、活動への共感を高める、活動の楽しさを盛り上げるといった視点で、どんなワクワクするクリエイティブのこもった表現ができるかは非常に重要なところだ。


「UX」や「コミュニティ」への探求は、まだまだつづく。

とにかく純粋に人がモノに触れる、人が価値に触れるといったシーンにおいて、どのようなストーリーが存在するのか。また、より豊かな体験を創造するために、いまプロジェクトを通じて何をアウトプットすべきか。

とりあえず、そんな視点でUXのあり方について考えながら、手法にはとらわれず、意味のある仕事がしたい。